お客さまが描く理想を、実際の造形として『カタチニスル』仕事。

建築物の間取りや外観など、目に見える部分をどのようにカタチづくり、そして仕上げるかを決めるのが建築意匠設計です。そして、ハザマには生産施設、集合住宅、オフィスビルや商業施設などさまざまな分野で実績がありますが、私は医療福祉施設に数多く関わってきました。また、ハザマは設計・施工案件の多いゼネコンなので、仕事のプロセスでは特に社内の関係者、あるいは協力会社などとの連携に気を配っています。
お客さまは、造りたい建物について漠然とした理想を持っています。それを具体的に引き出して、どうすれば使いやすく、生活あるいは事業活動しやすいかを考えながら、提案していくのがこの仕事のおもしろさです。いろんな案件を通して学んできたのは、何ごとも固定観念で判断しないこと。どんなに自分が「このカタチがいい」と考えて提案しても、お客さまに受入れられなかった時点でボツになります。感覚や好みの違いは、埋めようがないもの。そんな時はお客さまとのコミュニケーションを深めてご要望を理解し、徐々にズレを修正しながら、いかに早く「着地点」を見つけられるかどうかにかかっています。時には、意匠全体のバランス、コストとのバランスも見極めなければなりません。工事担当者ともコミュニケーションを取りつつ、使う側はもちろん、造る側も納得できるカタチにたどり着くのです。
お客さまとのコミュニケーションから生まれる『一点もの』。

現在、私は3つのことにこだわっています。ひとつは、お客さまのどんなご要望であれ「できるんだ」と思うこと。仮にできないのなら、可能にするにはどうすればいいのか徹底的に考えるようにしています。ふたつめは、自分なりにいいと思うものは、きちんと説明できなければならないということ。感覚的な好き嫌いに留まらず、他の意匠例などを交えながら、理由付けをするように心がけています。そして最後は、いろんな角度から見たバランス=全体最適をとるということ。特別なものよりも、みんながいいと思える意匠を目指していこうと考えています。
そんな私の夢は、長い間「飽きない・傷まない・古びない」建物を設計することです。究極は自邸の設計と思うこともありますが、たとえば空港のように、多種多様な機能が集積し、利用する多数の人の喜ぶ顔が見えるような建物を手がけたいと思っています。
建物というのは、工業製品とは違って、一つひとつお客様から請け負って造る『一点もの』なので、設計技術の重要性はいうまでもなく、コミュニケーションのなかから答えを導いていくものです。
将来、お客さまや、それを利用する多くの人々に満足していただく建物を造るためにも学生の皆さんには、建築に限らず、幅広い分野に目を向け、豊富な知識と話題も身につけておいてほしいと思います。